エコキュートってご存知ですか?
オール家電住宅が増えてきた最近ではずいぶん耳に入る機会も増えてきましたね。でも、どんな商品?なんのシステム?とよくわかならない方も多いのではないかと思います。一般的にエコキュートの説明として使われるのが、
「自然冷媒を使ったヒートポンプシステム式の給湯システム」
です。でも自然冷媒?ヒートポンプ?って正直、訳が分からないですよね。
まず最初にエコキュートがどんな原理で動いているのか説明します。
普通、水をお湯にするには火や電気などで加熱しますよね。しかし、エコキュートでは火や電気の熱を使わず、お湯をつくるのです。ではエコキュートは何の熱を使ってお湯をつくっているのでしょう。
そこで必要になるのが、空気の中に存在する『熱』なのです。大気中に満ち溢れている『熱』を上手く利用するのが、エコキュートのすごい所なのです。
では、どのようにして空気中の『熱』を集めるのでしょうか?その時活躍するのが「ヒートポンプ」という仕組みなのです。エコキュートは「ヒートポンプ」によって熱を集めてお湯を温めているのです。
まずは、大気中の『熱』が、なぜお湯をつくれるほどの『高熱』になるのか?まずはこれについて説明を始めましょう。
『熱』は圧縮すると高温になるという特性があります。身近なところでは、圧力鍋などがイメージしやすいかもしれません。圧力をかけることで高温加熱ができ、調理時間が短くなっていますよね。この『圧縮』を利用して、大気中の『熱』を高温に変えているのが「ヒートポンプ」という仕組みなのです。
では「ヒートポンプ」で加熱するまでの流れを簡単に説明します。
この作業が、エコキュートの中で行われているのです。しかし、大気中の『熱』を集めるためには、もうひとつ役者が必要です。それが「冷媒」といわれるもの。エコキュートは、この「冷媒」に大きなエコが隠されています。
まずは、大気中の『熱大気中の『熱』をファンで機械の中へ送り込むだけでは『熱』は集まりません。室外機の中に送り込まれた大気から『熱』を取り込み、水に伝える役割をするのが「冷媒」です。この「冷媒」は自分自身が『熱』を吸収して温度を上げます。そして、その『熱』を放出することで、水に熱を伝えるという働き者なのです。
(※エアコンや冷蔵庫の場合は、室内・庫内の『熱』を吸収し、外へ放出することで温度を下げるという逆の働きをしています。)
「冷媒」として有名なのがフロンです。しかし、エコキュートは「冷媒」にフロンを使用せず、代わりに【CO2=二酸化炭素】を利用している点が注目のポイントなのです!
※エアコンや冷蔵庫などの冷媒は、いままでフロンが使われていましたが、環境に対する影響があるということで、最近は「代替フロン」「ノンフロン」という言葉がメジャーになっていますね。
冷媒【CO2】が大気中の熱を取り込み温度を上げます
この冷媒【CO2】は、オゾン層の破壊係数がゼロ。地球温暖化に対する影響も、フロンの1500〜1700分の1。さらに「CO2」は、工場などで排出される副生ガスを再利用しているという理想的な冷媒なのです。
これで、大気中の『熱』を取り込み、『高熱』として加熱ができるようにするまでの役者が揃いました。では、エコキュートの仕組みを整理してみましょう。
エコキュートは、このような循環により大気中の『熱』を延々取り込みながら、お湯をつくっているのです。この循環のなかで電気を使用しているのは、大気を取り込む時と圧縮する時です。そのため、少ない電気でお湯が沸かせるということになります。
現在のエコキュートは【電気1】に対し【空気2】を使って90度のお湯が沸かせる換算になっています。これが、電気だけでの給湯に比べ3倍の能力でお湯ができるという理由なのです。
ちなみにエコキュートという名前の「エコ」は当然、自然にやさしいということ。「キュート」は給湯をそのものと、可愛いの意味を付けているそうです。
気温水器は、夜間の割安な電気でお湯を沸かす高い経済性を持つ温水器です。
貯湯タンクの中の水をヒーターで加熱し、お湯を沸かします。タンクの中を温かいお湯と冷たい水が巡回し、お湯が消費されても、自動的に水が補給されて、また温められます。
設定温度に到達すれば通電がストップするので無駄がありません。
また、燃焼音もないので深夜でもご近所迷惑になりません。
電気温水器は、ヒーターで水を沸かしますが、「エコキュート」は上記のように、自然冷媒であるCO2を使ったヒートポンプシステムによって、大気中の熱を汲み上げ、給湯に必要な熱エネルギーとして利用します。そのためエネルギー効率に優れ、省エネ性や環境保全性の高い給湯機といえるのです。形態としては、ヒートポンプユニットと貯湯ユニット(タンク)のふたつからなります。
使い勝手は従来の電気温水器と違いはありませんし、フルオートタイプ、セミオートタイプも出ています。小さなお子さんやお年寄りの入浴時でも安心な同時通話や音声ガイダンス機能など浴室リモコン、台所リモコンでの機能も各社工夫を凝らしています。最近では、給湯や風呂自動お湯はり以外に、床暖房機能がついたものも出ています。単体での機能だけでなく、住まい全体を考慮して選ぶようにしたいものです。